創業当初は営業も苦労の連続
前回、「なぜ会社を起業したのか、小さな会社を立ち上げてみて」と題し、自ら起業するに至った経緯を綴ったが、今回は創業当初の苦労話を。。
声はかかっても「実績」がないと厳しい現実
上記ブログでも書いたが、創業はデジハリのクラスメートからの紹介でWebの仕事をいただけたりしたのが きっかけだった。
親しい仲間からのクチコミは、もともとお互いに信頼感があるので受注確度も高い。
しかし、会社を運営していくには新規の案件を受注していかなければならない。
「知り合いの知り合いからの相談」とか、「ネットからの問い合わせ」とか、初対面の方からの打診となると、当然他社との比較になり、相見積もりになる。
そのとき決まって聞かれたのが、「実績は?」。
創業間もないベンチャー企業に、そんなにお見せできるような素晴らしい実績が揃っているワケもなく。。
他社よりも安いであろう見積もりを出しても、なかなか受注できずに苦労した。
少しでも信頼されるように工夫を重ねる
営業チラシを作ったり、数少ない実績を深く掘り下げて 1つの実績で4~5ページくらいの資料になるように工夫したり。
前職の会社員時代は、いつもスーツで仕事をしていたので、当たり前のようにスーツ着用でいたのだが、ある日営業に行ったクライアント先で、「お宅はスーツなんだ!? いや、昨日来た人はTシャツにジーンズで、、ちゃんと仕事してもらえるのかな? って思っちゃったんだよね。」と話してくれた。
「お!着ている服装で第一印象が決まるのか。だったらこれからも失礼のないような格好でいこう。」と思った。
もう一つ聞かれるのが「御社は何が得意なの?」
そしてもう一つ、「御社は何が得意なの?」と よく聞かれた。
立ち上げたばかりで必死の自分たちに、「得意分野は?」と聞かれても 自信持って即答できるワケもなく。
当時は、フリーランスのネットワークを作って制作する体制をとっていたので、Webに限らず、イラスト、写真、紙のデザインなど、、いろいろなクリエイターがいた。
なので、「当社はオールマイティに何でもできます!」と答えていたが、
でも、やはりお客さんはそれでは納得していただけないようだった。
前職の経験を生かし、システムを得意分野に
「このままではいかん」という危機感もあり、前職で培ったSE/プログラマーの経験を生かすことにして、ある日から「当社はWebシステムが得意です!」と言うようにした。
実はこのとき、まだWebシステムなんて ほとんど知識もスキルもなかったのだが。。
どうせなら使ってもらえるものを作ってみよう
言ったからには出来ないと 単なる嘘つきになってしま。
本屋でPHPとMySQLの本を買い込み、土日に独学で勉強を重ねる日々が続いた。
本を読みながらサンプルでシステムを構築していくのだが、「どうせ作るんだったら、お客さんに使ってもらえる可能性のあるものを作ろう」、ということで、当時お取引先に不動産会社さんが多かったこともあり、不動産の検索システムを作りながら勉強を進めた。
なんとか完成させて、いざ提案してみると、不動産の大規模データベースから情報を容易にインプットできる利便性が評価され、月額利用料制のASP方式で何件かのお客様に契約していただくことができた。
定期的な安定収入を増やす工夫
Webサイトの制作案件は、一定のペースで受注できているときは良いが、引き合いが多すぎても制作リソース的にこなせないし、引き合いが少なければそもそも売り上げが立たない。。
なので、年月を重ねるに従って なんとか定期的な受注を増やしたい!と考えるようになった。
ASPサービスとレンタルサーバー
先の不動産システムをASPで提供したのも定期契約としての売り上げを増やすことに寄与したが、もう一つWebサーバーを自社で管理してレンタルサーバー業務にも乗り出した。
自社で受注したWebサイトは、自社管理のサーバーで運用した方が 細部にわたる設定まで管理できるし、他社で作成した仕組みを流用するのも楽だ。
なので、サーバーのノウハウも勉強し、「一般第二種電気通信事業者」の届出もしてレンタルサーバーを提供するようにした。
レンタルサーバー利用料など、1件数千円の規模だが3年後、5年後に向けて少しずつでも件数が増えていけば、、との思い。
こうして少しずつではあるが、新規受注に頼らず毎月固定的に入ってくる収入を増やすことで、業績の安定化を図っていった。
とは言ってもまだまだ苦労は続くのだが、、(^^;
次回は、毎月1件数千円の請求を どうすれば楽に回収できるか、、そのあたりを書いてみたい。
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