心をベースとする経営・生き方の集大成
先の「思い邪なし 京セラ創業者 稲盛和夫」 (ブログはこちら)が、稲盛氏の半生を描いた伝記であるとするならば、この「心。」は、氏の心をベースとする経営・生き方の集大成であると思う。
盛和塾の師匠でもある稲盛塾長の著書、ならびに講話は いやと言うほど見聞きしてきた。
そういう意味では 本書は決して目新しいことが書かれているわけではないが、今まで語られた多くの中で、氏が本当に言いたいこと、伝えておきたいことを集めた集大成であると感じた。
90年近い人生を生きてきて、その大半を仕事に情熱を燃やし、京セラ、KDDIの創業、そして日本航空(JAL)の再生を果たしてきた中で、本当に伝えたいことを凝縮したら この本「心。」になったのではないか、と。
大ベストセラー「生き方」から15年。。
国内だけで120万部を越える大ベストセラーとなった「生き方」が発刊されたのが 2004年。
「生き方」の当時は、まだ稲盛氏自身も経営者であり現在進行形であったと思われる。
そしてそれから15年、経営からは引退・卒業した、やり尽くしたところでの「心。」。
「平成の経営の神様」と言われることも多いが、まさに「神」的境地から書かれた一冊であると思う。