実力主義と言っても職務遂行能力だけではない
「実力主義」と言うと、一時流行った成果主義と混同するかも知れないが、ここでは そうではないと言われている。
組織を運営していく上で最も重要なことは、それぞれの組織の長に本当に力のある人がついているかどうかということです。
本当に力のある人とは、職務遂行の能力とともに、人間として尊敬され、信頼され、みんなのために自分の力を発揮しようとする人です。
「人間として尊敬され、信頼され」と書かれているが、ここでも人間力・人格がある、つまり徳がある人でなければならない、ということだ。
西郷南洲の言葉
西郷南洲(隆盛)の言葉に、
功ある者には禄を与えよ、 徳ある者には地位を与えよ。
というものがある。
仕事で功績をあげた者には「禄」すなわち金銭・報酬で報いなさい。
人徳のある者には「地位」すなわち役職を与えなさい。
ということだ。
つまり別の言い方をすると、「人徳のない者はたとえ仕事が出来ても役職をあげてはダメですよ」と言うこと。
そのくらい、特に人の上に立つ人は仕事のスキルだけでなく、人間力・人格・人徳が必要なのである。
タイトル「実力主義に徹する」だけを見ると、あたかも仕事のスキル=成果主義が大切であるように見受けられるが、実はここでも「徳」が求められている。
徳がなくて失脚した某知事
数年前、某都知事が公私混同が明るみに出て失職に追い込まれた。
某知事が仕事のスキルがあったかどうかは 私にはわからないが、すくなくとも一連の報道を見て「『徳』がないな」と思っていた。
そしたら、ある時、私の師匠である塾長が講話の中で、某知事の話を引き合いに出し「徳がない」、と全く同じことを言われていた。
2番目、3番目の役職であれば、トップの判断で解任したりすることができるが、トップに立つ人は(特に企業の社長などは)簡単に移動させるわけにはいかない。
中小企業などは後継者に苦労していると思うが、、「徳のある者」という条件を忘れてはならない。
某アメリカ大統領は、はたしてどうだろうか?