盛和塾全国大会レポート(その5)です。
稲盛塾長講話
テーマ:「六つの精進」
「経営の原点12ヶ条」の前に考えていたことが「六つの精進」。
- 企業経営の必要最低限のこと。
- 人生を生きていく上で必要最低限のこと。
- 誰にも負けない努力をする
- 謙虚にして驕らず
- 反省ある毎日を送る
- 生きていることに感謝する
- 善行、利他行を積む
- 感性的な悩みをしない
【1】誰にも負けない努力をする
・毎日真剣に働く。
・「一生懸命働く」ことを真面目にやれば、経営は順調に行くはず。
・経営戦術、経営戦略などいろいろあるが、一生懸命働く以外にない。それ以上の
経営ノウハウはない。
・自然界は全て「一生懸命生きる」ことが前提である。
→ 動物も植物も全て、必死で一生懸命生きている。
一生懸命生きることが、自然界に生きる者の義務である!
・誰にも負けない努力をしているか?
・やっていること=仕事を好きになること。
→ 私は自分の仕事を好きになる努力をしてきた。
・ホレて通えば千里の道も一理。
・「一生懸命働く」以外に成功はあり得ない。
→ そこから創意工夫が生まれてくる。すばらしい思いつき、ヒントが
生まれてくる。神様からひらめきが与えられる。
・朝早くから夜遅くまで働けばヒマがなくなる。ヒマがあるからロクでも
ないことをしでかす。。
・朝早くから夜遅くまで働くことは、人間の魂をみがくことになる。
→ 利他の心が生まれる。
・良きことを想い、実行する(利他)
→ 運命が良い方へ変わっていく。
【2】謙虚にして驕らず
・中小零細企業から大企業まで、ずっと一環して謙虚であれ!
・幸福を授かる人は、謙虚な人である。(謙虚でない人は幸福になれない)
・人を押しのけて、、というのが一見 成功する様に見えるが違う。
【3】反省ある毎日を送る
・一日が終わったときに、一日を振り返り反省することが大切。(人間として
正しい行動であったか考える)
→ 反省点が少しでもあれば改めていく。
「反省」が人格・心・魂をみがき、良い美しい魂に変わっていく。
・ジェームス アレンの言葉
人間の心は庭のようなものです。
それは知的に耕されることもあれば、野放しにされることもありますが、
そこからは、どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。
もしあなたが自分の庭に、美しい草の種を蒔かなかったなら、
そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、雑草のみが生い茂ることになります。すぐれた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、美しい草花の種を蒔き、
それを育みつづけます。同様に、私たちも、すばらしい人生を生きたいのなら、自分の心の庭を掘り起こし、
そこから不純な誤った思いを一掃し、そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ、
それを育みつづけなくてはなりません。もしあなたがその作業をつづけたならば、やがて必ず「自分は自分の心の園芸
主任であり、自分の人生の総責任者である」という事実に気づくことになります。自分の人格、環境、および運命の形成に、自分の思いがどのような影響を与えて
いるのかを、日を追うごとに、より明確に理解していくことになるでしょう。心は、創造の達人です。そして、私たちは心であり、思いという道具を用いて自分の
人生を形作り、その中で、様々な喜びを、また悲しみを自ら生み出しています。
私たちは心の中で考えたとおりの人間になります。私たちを取り巻く環境は、
真の私たち自身を映し出す鏡に他なりません。私たちの人生は、ある確かな法則にしたがって創られています。私たちがどんな
策略を用いようと、その法則を変えることはできません。「原因と結果の法則」
は、目に見える物質世界においても、目に見えない心の世界においても、常に
絶対であり、揺らぐことがないのです。私たちは、自分自身の思いによって、自分を素晴らしい人間に創り上げることも
出来れば、破壊してしまうことも出来ます。心という思いの工場の中で、
私たちは、自分自身を破壊するための兵器を作り続けることも出来ますし、
強さと喜びと穏やかさに満ちた美しい人格を創るための、優れた道具を
作り続けることも出来るのです。正しい思いを選んでめぐらし続けることで、
私たち気高い、崇高な人間へと上昇することが出来ます。と同時に、誤った思いを
選んでめぐらし続けることで、獣のような人間へと落下することも出来るのです。
→ 良い思いは良い実を結び、悪い思いは悪い実を結ぶ。
・良い心=真我:利他の心
・悪い心=自我:利己の心
【4】生きていることに感謝する
・自分を取り巻くあらゆるものに支えられて生きている、いや生かされている。
→ 感謝の心が生まれて来なければならない。
・「感謝」の心が、人生を素晴らしいものに変えていく。
・全てのものに感謝をする。
・「ありがたい」「ありがとうございます」の言葉は良くなる万能薬。
→ 「ありがとうございます」は、昔は「もったいのうございます」と
言った。(ありがとうと同じ感謝の言葉)
「かたじけない」も同じ(恐れ多いという意味)
・「善意」は周囲にも伝わるし循環する。
【5】善行、利他行を積む
・善行=良い行いをした家には良いことが起こる。(家=本人だけでなく、
一族皆に良いことが起こる)
・「因果応報」安岡正篤
→ 良いことを実行すれば運命を良い方向へ導く。
・「大善」と「小善」
・情けは人のためならず。
→ 「友人にお金を貸して返ってこない」ということは、これと矛盾するが。。
友人にお金を貸すことは本当に本人のためになっていたのか? 結果的に
友人を悪い方向へ行かせてしまったのでは?
→ これは「小善」
友人の悪い行いがそうした(金欠)のであれば、あえて貸さない。
→ これが「大善」
・情けをかけること自体が悪いのではなく、情けをかけることがその人の
ためになったかどうか。
【6】感性的な悩みをしない
・既に起こったことをいつまでもくよくよ悩まず、新しいことに目的を向ける。
・「たら」「れば」を考えても仕方ない。
・「反省」をすることは大切だが、その失敗を繰り返さない努力をして
「次」に目を向けること!
・過ぎたことでいつまでもくよくよ心配する必要はない。
→ 例え 身内、家族、親戚、会社に迷惑をかけることがあっても、いつまでも
くよくよするな!
・「業(ごう)」=カルマ
過去の自分の業が災難として現れてくる。
・「業」が現れることによって、過去の罪が一つ消える。
→ 必要な懺悔
・災難にあったときは、過去の業=カルマが現れたものと思って力強く
生きて行きなさい!
(全国大会レポートは今回で終了です。)