ある年の入社式での訓示
「致知」2019年7月号に出ていた松下幸之助氏による、ある年の入社式での言葉。
「君らな、僕がいまから言う二つのことを守り通したら、松下電器の重役になれる。
1つは、いい会社に入ったと思い続けられるかどうかや。入社したばかりの時はそう思っても、嫌な上司に出会ったり意に沿わない仕事をさせられてもなお、いい会社に入ったと心から思えるかどうかはすごく大事なことや。
もう一つは、社会人になってお金が一番大事と思ったらあかん。もちろんお金も大事だが、お金はなくしても取り戻せる。しかし、人生にはこれを失うと取り戻すのに大変苦労するものがある。それは信用や。信用を大事にせなあかん」
そして、これに付け加えて、
「人間、9割は自分ではどうにもならない運命のもとに生きている。その運命を呪ってはいけない。喜んで受け入れる。すると、運がよくなる」
「いい会社に入ったと思い続ける」
自分の希望する会社、そして希望する職業に就ける人は そう多くはいない。
多くの人は、必ずしも思い通りにならない。
以前 大企業を定年退職後に当社に嘱託で来てくれていたベテラン社員さんは、子供の頃から電車が大好きで、幼少の頃から馴染みのあった西武鉄道を志望した。ところがいざ入社してみると、同じ西武でも西武不動産に配属になった。。
そして そこから定年まで勤め上げた、と話してくれた。
例え第一志望の会社に入っても、希望していた部署ではない部門に配属された、などというケースは枚挙に暇がない。
そうであれば、縁あって任された仕事を好きになり、会社を好きにならなければ、ずっとネガティブな気持ちで働き続けるしかない。
「君に合う仕事はない。君が仕事に合わせるだけだ!」
以前のブログでも書いた言葉、
「君に合う仕事はない。君が仕事に合わせるだけだ!」
これって、経験を重ねてきた今だから腑に落ちる。本当にそう思う。
私の尊敬する稲盛和夫塾長も、新卒で入社した 今にも潰れそうなボロ会社で、、同期と顔合わせるたびに「こんなボロ会社、早く辞めよう」と言い合っていた。ところが同期が全員辞めてしまい、自分だけが辞めることも叶わず 残らざるを得なくなった。
そこで覚悟を決め、当時任されていた研究に没頭しだしたら、、どんどん成果が上がっていき、自らの運も好転し始めた、と仰っている。
仕事から逃げているだけでは何も変わらないし、成長もしない。
今いる境遇を受け止め 好きになる、ということはとても大事なことかもしれない。
「お金より信用が大事」
「信用」の大切さも そう。信用を得るには、長い年月と地道な努力が必要だが、ほんの一瞬の出来事で信用を失う。
そして失った信用を取り戻すには、もっともっと長い年月を要することとなる。
では信用を得るにはどうすれば良いか!?
真面目に、コツコツ、地道に、相手を思いやる気持ち、、を長く継続して行うしかないのではなかろうか。
人間関係では「人柄」が どうしても垣間見えてしまう。であれば、人柄を良くする、人格を磨く、人徳を積み上げていくことでしか、信用も得られないのであろう。
昭和の経営の神様 松下幸之助氏、平成の経営の神様 稲盛和夫、、お二方の話は共通点も多い。
そして「心」のあり様を説かれている。
さあ、今日も真摯にコツコツ やっていきましょ!