4,700名超、過去最大規模の勉強会
昨日一昨日(7/19(水)~20(木))と、パシフィコ横浜で開催された「盛和塾 第25回 世界大会」に参加してきた。
この世界大会は、盛和塾の年中行事の中でも最大の勉強会であり、その名の通り日本全国はもとより アメリカ、ブラジル、中国、韓国、ポルトガルなど、世界各地から盛和塾生が集う。
海外の塾生は、イヤホンによる受信機が配布され同時通訳により それぞれの母国語で聞くことができる。
今年は 過去最大の4,757名もの参加で、パシフィコ横浜 国立大ホールが初めて3階席まで満席となった。
6名の経営体験発表
まずは「ブロック選考会」と呼ばれる予選会を勝ち抜いてきた塾生 6名による経営体験発表。
今年は、日本人塾生の他に、中国の塾生も1名発表された。
今回の発表者は、親から経営を引き継いだ2代目、3代目が 4名もおり、跡継ぎとして会社に入ってみたら思い描いていたようなバラ色の状況ではなく、財務改善、社員の意識改革に奔走した、というような苦労話が多く聞かれた。
また中国の発表者は、2013年に盛和塾 中国成都勉強会が開催された際に数千名規模の社員総会に参加させてもらったときの不動産会社の経営者だった。
そのときも凄い勢いで会社を成長させていたが、それから4年経ち 合併なども行い更に大きく発展していた。
稲盛塾長講話「数字で経営する」
最終日の午後は、稲盛和夫塾長による塾長講話。
今回のテーマは「数字で経営する」。
企業が永続的に発展するには経営者が正しい舵取りをする必要がある。その唯一の客観的指標が「経営数値」である。
東芝の不正会計事件なども例に出され、経営数字は全ていかなる操作も加えられない、実態を表すものでなければならない。
そこで重要になるのが「一対一対応の原則」と「ダブルチェック」。
数字は厳しくとらえる
例えば、在庫管理などの場合 棚卸し時点で厳しくチェックし楽観的な数字ではなく より厳しいカウントの仕方をすることで、経営の実態に即した数値管理ができる。
京セラでは、一定期間以上の在庫には(市中金利より厳しい)「社内金利」を設定し、営業が責任を持つ体制になっている。
また為替変動などを考慮した予測相場も、円相場が1ドル1円違うと 日本円にして数十億円為替差損が発生する。そのため、事前に年間のマスタープランを立てる際も 一般的な予測相場よりも円安の、会社にとってより厳しい環境となる相場を当てはめておく。
楽観的な予測数値を出しておくと、あとでマイナス評価になった場合の下振れが大きくなる。なので、事前に厳しい数値での見込みを出しておくことで、そのリスクを低減させている。
特に上場企業など、売上・利益予測はなるべく良い数字を出したいのが常だが、そこをあえて厳しく設定することで健全な経営を行う。
松下幸之助氏のダム式経営
稲盛さんが若いころ、松下幸之助氏のダム式経営の講話を聞いて衝撃を受けた話は有名だが、今回の講話でもまたこの話をされた。
「ダムは雨が多い時に水を貯め、日照りのときに放水することで、川に一定の水量を保つ。企業経営も利益をダムのように内部留保として貯めておき、経営が厳しくなったときに備えておくべし」というダム式経営の講話で、聴衆の一人が質問した「ダム式経営が大切なことはわかるが、中小企業でそんな余裕がない。どうすればダムを貯められるか教えてほしい」。
しばらく考えていた幸之助氏は、「そんな方法ワシも知らんのや。だけど余裕がなければいかんと思わなあきまへんな。」と答えになていない回答に、その場の聴衆は失笑した。
が、そこにいた稲盛さんは「電気が走ったような衝撃を受けた」と言う。「そうか とにかく『思う』ことが大事なんだ!」と。
強く思うこと、「強烈で持続した思い」を持ち続けることた重要。
全ては従業員のため。
社員とその家族を未来に渡って守っていく、そのためには内部留保を貯めていかねばならない。
「経営者とは、多くの人を幸せにできる素晴らしい仕事です。」