カタログスペックには表れない、細部の設計思想
「ユーザーインタフェース(UI)」と言うと、コンピュータ機器とそれを使う人間との間で情報のやりとり、入出力などを指すことが多いが、何もコンピュータに限った話ではなく、人間が見て使う、操作する、、ありとあらゆるモノ・機器との間にUIは存在する。
ワタシが前職でSEをやっていた頃(もう四半世紀も前…(^^;)には、似たような言葉で「マンマシンインタフェース」などと言う言葉もあった。
このマンマシンインタフェースは、どちらかと言うとキーボードやマウス、画面などの入出力機器を指すことが多かったように思う。
「強」にしないとOFFできないサーキュレーター
最近ユーザーインタフェースの設計(UI設計)で、特に思うところがあった。
それは、オフィスで使っているサーキュレーター(扇風機のようなモノ)のスイッチが、「弱」使っていた場合、OFFにするために「弱 → 中 → 強 → OFF」と、、一旦「強」にしないとOFFにできないスイッチ設計になっていること。
普通こういったものは、0→1→2→3 と0から順番に強くなるのが普通だと思うが、そうなっていない。
ちょっとしたことなのだが、消そうと思ってるのに一旦「ビューン!」と強風になるのがとても違和感がある。
かゆい所に手が届く設計思想
こういった部分は、カタログにはなかなかスペックとして表示されない。だが、実際に追加ってみると、ちょっとした設計思想・使い勝手が結構商品の満足度などに表れてくる。
以前大学の研究室で、実験用の機材を作成したことがあった。
プラズマを発生させるために各種の元素ガス(気体)を、分量を測定しながら注入する実験装置なのだが、何も考えずに設計したため、気体の量をコントロールする栓(ツマミ)を計器板の左側につけてしまった。
計器板にあるメーターを見ながらツマミを微妙にコントロールして入れる際に、利き手の右手で操作するのが えらい難儀した覚えがある。
同様に左利きの人が「使いにくい」と思うものが世の中にはたくさんあるようだが、多くのものは、圧倒的に多い右利きの人を基準に作っているからだと思う。
使いやすさのUI
ここまでは「使いにくい」ものの例を挙げてきたが、モノによっては かゆい所手が届くような、絶妙な設計をされた商品と出会うことがある。
それまで あまり意識していなかったのだが、壊れたりして別のものに買い換えたときに、その機能がなくて使いにくくなった、、なんてこともある。
最近個人的に思うのが、アイリスオーヤマの製品は かゆい所に手が届く商品が多いと感じる。
アイリスオーヤマというと、家電製品からプラスチック製品、ペット用品に至るまで ありとあらゆる生活用品を製造販売しているが、「こんなのないかな。。」という製品が結構あって、自分の中ではアイリスオーヤマシェアが結構高かったりする。
WebデザインでのUIも同様
我々が日頃行っているWebデザインも、設計次第で使い勝手が大きく変わってくる。
Webの場合、それは集客数であったりコンバージョン率(設定した目標の達成度)というかたちでダイレクトに響いてくる。
かゆい所に手が届く、、そんな設計を心がけていきたい。