芸能事務所の事業構造的に歯止めは必要
今に始まったことではないが、売れてくると所属事務所から独立していく芸能人がいる。
最近は それに対し旧所属事務所がテレビ局などに圧力をかけているといった報道も耳にする。
または第三者である全く別の事務所が、自社タレントと当該独立芸能人との共演を拒み番組を降りると主張することも多々あるようだ。(1事務所だけでなく、複数の事務所がこぞって降りることで番組が成立しなくなるため、テレビ局側も結果的に当該独立芸能人の出演を見合わせざるを得なくなる)
この件について私見を述べたい。(あくまでも 一つの側面からだけを取り上げた私見です)
圧力をかけることは あまりよろしくない事ではあるが、と前置きしつつ、、
そもそも芸能事務所は、売れるかどうかもわからない人材を育成し、マネージメントして育てていく。
例えば100人入ったとしたら、そのうち売れていくのは はたして何パーセントなんだろう、、ほんの数パーセント、一握りの人だと思う。
一握りの売れっ子が 大多数を支えるビジネスモデル
一般企業であれば新入社員が入社して、教育して育てて、、多くの人はやがて その企業に利益をもたらす働きをしてくれる。
だが、芸能界は 人材に投資をしても回収できる人は ごく少数の人、ということになる。
つまり事業構造=ビジネスモデル的に、一握りの売れっ子スターの売上によって、あまり売れない(利益が出ない)人たちや、育成も含めたその他経費を賄っていかなければならない。
だから、売れたときに「自分はこんなに稼いでいるのに、手取りは少ない。事務所に搾取されている。」と思う気持ちもわからないではないが、、それによる独立を野放しにしていてはビジネスとして成り立たない。
だから圧力もかけたくなるのだろうが、圧力をかける前に 使う側(テレビ局など)も、こういった行為を野放しにしないようにする必要はあると思う。
これが昔から言われている「干される」ということになるのだろう。
もちろん事務所側も適正な利益配分にし、決して「搾取」にならないようにすることは当然であるが、こういった話は もっと広く知れ渡り、新しく入ってくる新人や 世の中一般の人に理解してもらうことも重要だろう。
業務による特許問題と似てる?
この件で思い出したのが、会社の業務上取得した特許の権利を個人が主張すること。
以前 青色LED特許で話題になり注目を集めた。
これと似ているような気がする。
特許の取得も、もちろん当該社員の努力と能力によるところも大きいが、それを支えてくれる他の社員、研究開発するための場所や機材等を提供してきた会社、、その他多くに支えられ決して一人の力だけで為し得たものではないハズだ。
たまたま(あえて「たまたま」と言わせていただくが)成功して大発明になったから良いが、、
では、
・成功しなかった時、会社はその社員(個人)に それまでの経費を払えと言うか?
もちろん言わない。失敗に終わってたとしても 給料を貰い 何らリスクのない立場で開発していた。
成功した時だけ 声高に主張し莫大な金額を請求するのは どうも違うように思う。
また、
・だったら最初から 独立して個人で開発すれば良かったのに。。と言いたくなるが、きっとそれはやらない(事実やっていない)で、会社に所属してやっている。
つまりノーリスク ハイリターンを要求するのは 何か違うような気がする。
話は逸れてしまったが、自分がサラリーマン時代には こんな考えは全くしていなかったが、いざ経営する立場になると また違った角度からの意見がでてくるものだ。