経営者2名の経営体験発表
一昨日、舞浜のディズニーリゾート「東京ベイ舞浜ホテル」で開催された盛和塾の塾長例会に参加してきた。
今回は、経営者2名による経営体験発表。
運送会社の女性経営者
1人目の発表は群馬で運送会社を経営する女性経営者(A氏)。
従業員約50名でトラックも40台近い規模。
義理の祖父が創業して以来80年以上も続く社歴のある運送会社である。
A氏はもともと大手宅配会社に勤務していたが、社長をしていた義父の急死により 夫とともに社業の運送会社に入社。
社長を務めていた夫も47才で急死し、義祖母の希望によりA氏が急遽社長に就任した。
経営については素人の社長だが、「心を高める、経営を伸ばす」などの本を使って、社内改革を進めていったが、「経営は社長の仕事だろ」などと言われ、辞めていったドライバーもいた。
そんな中、自分の使命は「古くからのしがらみからの脱却」と認識し、改革を進めていった。
自分の言葉で語れる経営理念を作り、少しずつ浸透してきた。
そんなとき東日本大震災が発生し、4トントラックに同乗し仙台へ支援に行った。
被災者から感謝され自分たちの役割を再認識できた。
幼い頃に向き合ってあげる時間を作れなかったが、立派に成長してくれた子供たちに感謝している。
これからも更に発展させ良い会社にしていきたい。
■稲盛塾長のコメント
男社会と思われる運送業で、女手で頑張っている。
今日お集まりの皆さんにも大変参考になったと思う。
食品原材料会社の跡継ぎ社長
2人目の発表は、名古屋で食品・食品原材料の製造販売を行う3代目経営者(B氏)。
祖父が60年前に創業。B氏は、創業者の次女の息子。
B氏の父親が2代目社長になるも、先代と折り合いが悪く2年で退社。そして離婚。。
その後親戚が後を継ぐも、創業者と先代が私利私欲で会社を私物化するように利益を吸い取っていた。
B氏は左右2.0あった視力が 突然なくなっていった。
100万人に一人の難病と言われる絶望的になる。
しかし、親戚に「病気は自分の気づきのメッセージだ。病気に感謝しなさい。」と言われ、感謝の気持ちが出てきたら、不思議と左目の視力が回復してきて、生きる勇気がわいてきた。そして会社に復帰した。
今も左目した見えていないが、人生が楽しくなり生きがいが見つかった。
経営理念を作り、朝礼やコンパをやり出し、改革を推進した。
低かった利益率も見直し、経常利益率10%を目指した。
東日本大震災で売上の7割を失ったが、なんとか乗り越えた。
今は生きていることに感謝の気持ち。
そして、創業者の祖父、先代社長の暴挙には感謝している。
■稲盛塾長のコメント
創業者、先代は会社を私物化し取れるだけ取ろうとされた。。
古いタイプの経営、前近代的な経営は そうだった。
それを糧に見事に逆境をはねのけてこられた。
ここにお集まりの皆さんにも大変参考になったと思う。