注目の裁判、とても興味深い
昨年、こんなニュースが駆けめぐった。
それは、「競馬の予想ソフトを駆使し、馬券を大量購入していた人が脱税容疑で起訴された」、というもの。
この人は当たり馬券の配当をそのまま次の馬券購入に充てて、トータル28億7千万円賭けて 30億円の払戻金を受けていた。
そして申告せずに国税局から「5億7千万円を脱税」したとして所得税法違反の罪に問われた。
単純に考えると、30億-28.7億=1.3億の利益なのになんで5.7億の脱税なの??? と思う。
しかし国税局は「経費となるのは直接当たり馬券を購入した金額のみ」、との見解。
これに対し被告側は「はずれ馬券も含め28.7億円が経費にあたる」と主張していた。
一二審の判断を支持し、最高裁も「経費にあたる」と判断へ
この裁判、とても注目度が高かったが、最高裁も一二審判断同様「経費にあたる」という判断で確定する見込みとなった。
※朝日新聞記事 > 外れ馬券購入費は「経費」 最高裁、確定へ
競馬の外れ馬券の購入費が「経費」として認められるかが争われた脱税事件の上告審で、最高裁が経費と認める判断をする見通しとなった。二審の結論を見直す際に必要な弁論を開かず、3月10日に判決が言い渡されることが決まった。ただ、今回争われたのは「資産運用の一種」と認められるほど大量に買い続けたケースの外れ馬券の扱いで、楽しむ程度の一般の競馬ファンにはあてはまらない。
おもしろいのは、このような購入の仕方は「資産運用の一種」であり、単なる趣味ではない、とうい解釈。
逆に言うと、単なる趣味のレベルでは 外れ馬券は経費とは認められず、当たり馬券と配当できちんと税金を納める必要がある。
もっとも、オンラインで購入している人は銀行口座の入出力が証拠として残るが、、直接馬券場で買って換金している人は ほとんどが税金なんて払ってないと思われる。。(^^;
行政訴訟で勝訴確定しない限り、課税処分は免れない
関連記事で興味深いものがあった。
こちら > 「外れ馬券は経費」連続勝訴40歳、それでも「追徴課税10億円・延滞税14・6%」の変わらぬ“極貧悪夢”
例え一審判決で勝訴になっても「勝訴確定」しない限り行政処分は免れず、毎月ずっと納税し続けて今は極貧の状態だとか。。
最高裁で確定しても、1.3億円分の脱税容疑は変わらない。。
最高裁で勝訴が確定する見込み、とのことだが、たとえ外れ馬券を経費と認められたとしても、実際の利益1.3億円分の申告はしていなかったので、追徴課税と脱税容疑の処分が待っていることになる。
28.7億円投資して、30億円の配当を得たという なんとも豪快な話だが、、
必ずしもハッピーではなかったようだ。